新入社員の"心構え"
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言葉的に「心構え」似たものが幾つかあります。「心得」「気構え」など・
同じ意味合いで使うこともありますが、概念(本質)的に別の意味合いで使うことがありますから注意が必要です。
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因みに、ニュアンスの違いは、感覚的には以下の通り。
- 心構え:より深層的・より広範的・より長期的で、内面的あるいは全人格的な心の持ち方。
- 気構え:特定的・短期的(直近的)な行いに対する強い意識の持ち方。
- 心がけ:日常的に信条とするもの。モットー。
- 心得:身分・立場・役割に必要な知識・理解・規則・作法など。当該組織に求められる実用的なマナー・エチケット・常識。
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新入社員"心得"
のようなもの
(順不同)
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心得の厄介なところは、1つは、自分の考え方で決められないこと。2つは、文書化された形式知と、医師電信的に理解せざるを得ない暗黙知と、両方があること。心得を安易に考えていい加減に扱うと痛い目に合うと言うのは、厄介どころではない。
明文化されない心得。暗黙知の部分。これは基準が属人的なためさらに厄介。忖度の世界。
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◆心得:形式知
企業によっては「社員心得」「従業員心得」などとした冊子を用意するところもある。
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コンプライアンス
- 一般の法規制の中で特に関連が強い事項についての解説。
- 就業規則/従業員規則のリファレンス、および問題になりやすい事項についての解説。
- 一般的なマナーの中で業務との関連が強いものについての解説
社員知識の概要
- 企業理念/社訓/ビジョンの類、沿革、
- 事業概要、商品/サービス概要。
- 顧客及びビジネスパートナー(固有名詞は入れない)
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コンプライアンス違反は個人の問題にとどまらず会社全体に迷惑を掛けることもあるため、周知徹底は企業の社会的責任の一環をなす。
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ホウレンソウ
- 規則にも記載はある筈だが、一般注意事項としても繰り返される筈。
- 組織を組織として維持するための基本要件がホウレンソウ。(多分こう言う書き方はしていない筈だが)
- 蛇足だが、報告・連絡・相談は部下の仕事と思っている上司がいるから要注意。ホウレンソウを促しそのための時間を作るのは上司の仕事。(それを上司に言うと臍を曲げる未熟な上司もいるから要注意)
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◆心得:暗黙知
人によっては只の常識だけど、時には理不尽な世界に見えることがあるかも知れない。集団が出来ると自然発生的な暗黙のルールやパワーバランスが生まれる。大きな集団である企業が長い時間を掛けて蓄積したものは、良く言えば企業文化とか企業DNAとか呼ばれるが、悪くすると闇・ブラックとされる。
暗黙知の部分を理解するには注意深い観察力、鋭い感性が求められる。と言っても普通は子供頃から訓練しているので、殊更人付き合いを苦手と思っていない限りは過剰に神経質になることはない。要人(?)に失礼をして放置したら、冷や飯を食う羽目になるのは古今東西の常識。
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健康管理/安全管理
- 基本のキ。此処が抜けると直ぐに欠勤、遅刻、早退に繋がる。
- 食事・運動・衛生(+コロナ対策)。
- メンタルヘルス。
- ストレスコントロール
- 睡眠管理
- 身だしなみ
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時間管理/納期管理
- これも基本のキ。
環境管理/情報武装
- 仕事が出来る環境か。
- 住居(スペース・空調・静音)・通勤路/通勤時間・オフタイム(息抜き・リラクゼーション)
- 情報武装:リモートワークで生産性を落とさないためには、リッチな通信環境は当然。IT機器もモバイルワーク用のスマホ、タブレット、ノートPCに加えて、ラージディスプレイ+高性能PC+音声・映像デバイスの充実を図ること。必ずしもデスクトップPCである必要はないが、リモートワーク(自宅オフィス)を整備すれば結果的には妥当な選択と言うこともある。
誠実管理(インテグリティ・マネジメント)
- 経営層・管理職層に求められるものから新入社員に求められる基本的なものまであります。ここは新人向け中心。
- 誠実・嘘が無い。
- パートナーシップ
- チームワーク
- 準備をして臨む
- 失念・放置・無視は厳禁。
- スルー・マネジメント
- こんな言葉は聞いたことはないが、距離感はすごく難しい。他人への過剰な気遣い(過剰に感じる気遣い)はストレスの原因になって行き過ぎた場合はやがて自分を破滅させる。
- 父性原理・母性原理についての理解を深めることで、自律におけるバランスを回復できるかも知れない。
コミュニケーション管理
- よく話を聞く。相手の立場に立って考えながら話を聞く。
職場には、年齢が上の人、下の人(アルバイトなど)、経験も様々なことを踏まえ、。 思い込みの価値観を前提に向かい合えば、 ギャップができて衝突の原因になる。 - 自分が真剣に聞いていることが伝える努力(頷き・感動・質問・確認など)をする。最も分かり易く有用な道具はメモを取ること。メモを取る振りは最悪にケースになるから実際にメモを取る。メモ帳とペンをいつでも取り出せる用意は必須。真剣に聞いていない人には大事な話はしてくれない。
- 因みに、スマホのメモアプリ+スタイラスペン+録音機能などの利用は、別のトラブルの原因になり兼ねないので、事前に了解を取るか、回避するのが無難。
目標管理
- 目標管理とは、自分の生き方・行動を目標・目的を明確にすることで律していく考え方。
- 目標・目的を意識して持つ。目標と手段の展開を考える。プランを実行する。定期的にレビューする。
- 目標管理は、業務上の公開ベースのものと、プライベートな非公開(公開しても構わないけど普通はプライバシー領域)のものとがある。
- 業務上の目標はトップあるいは全社の目標管理の一環をなすものとして与えられる(筈)。私的な目標は自分のライフプランなどから展開される(筈)。
- 公私で矛盾が出ると苦しい。
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チャレンジマネジメント
- チャレンジとはまだ足を踏み入れていない領域に飛び込むこと。新たな体験・経験を得る事。限界領域を理解すること。
- チャレンジにはリスクが伴う。チャレンジマネジメントはリスクマネジメントの裏返しの部分がある。其のチャレンジの命綱は何かとか。
- 興味本位でも仕事と関係する領域でも構わないが未経験領域につい
て、試行錯誤してみる。
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キャリアプラン
- キャリア・プランと聞いても実際はピンと来ない。受け身の人生が長いと、与えられた仕事で頭もいっぱい。それ以上に、キャリアチェンジは容易でないことも分かっているから、踏み出す勇気が無ければ、キャリアプラン自体が成立しない。家業を継ぐとか行き先が分かっている人はステップを積む発想は比較的容易だが一般サラリーマンは難しいだろう。定年で業務のラインが切れる前提を置けば尚更だ。
- 人生100年時代は、しかし、キャリアプランを持つのは必至の要件となる。定年が無くなる・定年後が長いため、自分で20年30年の文字通りセカンドライフは決定していくしかない。
- キャリアプランを持つ。これは難しいかも知れない。常に意識して、リプランを繰り返すしかないだろう。早めに作ってセカンドライフに出遅れないようにする。必要なら転職も考えるべきだろう。
アドバイスを受けたら
- アドバイスと言っても内容は様々。提案、説教、クレーム、注意、質問。上司、先輩、他部門の人。時には、顧客やビジネスパートナー、若輩・後輩まで。
- アドバイスを受けた時の対応をコミュニケーション管理の一環と捉えていると、何か外しそうだ。その深層は失礼にならないようにあしらう発想だからだ。
- アドバイスは有難く受け入れる。
其の通りにするというのでなく、 自分に関心を持ってくれていることに感謝する気持ち。 その人の思い、背景、見識なども聞いて、 アドバイスの意味することを真剣に理解する。 - アフター5がアドバイスの場になることもある。
ご都合コンタクト
- コミュニケーション管理の一環。
- 自分が必要な時だけコンタクトして、
自分の用事が済むと知らんぷり。これで世間は通らない。 関連部門、関係先の人でも、何らかのインターバル( 負担にならない範囲)でご機嫌伺を欠かさない。 - こういう風に「ご都合コンタクト」を取り上げれば失礼な行為として認識できるが、実社会では結構多い。他人の失礼は分かるが、自分の失礼は気付きにくい。
- メールのように記録が残る場合は、新人の場合は特に注意。
- ご都合コンタクトは若い人だけに多い訳ではない。社内事情が分からず心に余裕のない新入社員は目先の対応で流されて結果的に失礼をしている例は多くなるのは止むを得ない。一方で、経験を重ねたミドル社員の中にもご都合主義者を見掛ける。こちらは重症で相手を間違えると深刻な事態になることもある。ご都合と言うのは、実質は値踏みをしていると見做されることになる。あしらわれたという思いを相手に与えることになる。
- 繰り返すが、ご都合コンタクトの問題は自分では気づかないでやっていることが少なくないこと。そこそこ能力の社員はこの一点だけで昇進の機会を失う。
経営品質
経営者マターで良くも悪くも一般社員、新入社員にまで及んで来る。一部の(多くの?)の経営者にとっては重要関心事の一つ。
企業の取り組み状況によっては、文書化された心得どころか、業務遂行の枠組みとなって羽交い絞め状態にされるかも知れない。だから、上司の指示を待っていて業務の一環として取り組めばOK。と考えることも出来る。
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- 自己啓発
- 経営品質、企業体質、この手のテーマは外から見えにくいから関心事にもなり難い。入社してもやらされ仕事に組み入れられていると分かり難い。早い段階で経営者視点を養うことが肝要。
- 幸いなことに関連書籍はいくつも出ている。入社前、正月休み~春休みの頃に目を通しておくのは同期入社競争で圧倒的に有利。何と言っても社長がするであろう質問を自分でもできる。上司はその最初の質問で身構え真摯な姿勢を見せる(かも?)。
- ISO第三者認証制度の理解。品質・環境・事業継続・情報セキュリティなど様々な分野で策定改定が進んでいるが、この概要理解は必須要件。(会社取り組んでいない分野もお浚いしておく)。ISO関係は取得状況を公開しているところが多い。当該検索サイトから調べることも出来る。自分が入る会社・取引先などの状況は把握しておきたい。
- ISOは審査員等として転進する道もあるので、やるなら深堀したい領域だ。
- 問題解決/課題達成
- 改善活動に取り組み企業は多い。改善屋(特定部門)の仕事になっているところもある。お仕着せ。改善ごっこ。
- 自分の業務の改善を自分で考える。実質の改善。問題の所有者の特定から業務プロセスを分析するなど、アプローチは色々ある。自分で自発的に取り組む。ここが大事。
IT化/デジタル化
- 情報武装という言葉が出て恐らく数十年が経過している。電子立国とかIT化が叫ばれていた頃、森喜朗総理がITをイットと呼んで話題にあった。昨今の日本はコロナ禍の対応でIT化の遅れが顕著として広く認識されるようになった、あらゆる意味で悲惨な状況にある。遅きに失したデジタル庁も中身は何もないお粗末さ。官僚にも政治家にもデジタル領域のプロがいない。
- 行政も企業もIT化・デジタル化は急務。そういう人材を優先的に採用するが、新人には基本的なITリテラシーは必須要件。言葉を変えれば、新人は、パソコン、スマホ、ネットワーク、アプリ&サービスについては、相応の理解がある認識で話は進むことになる。ISOとの関連で言えばISO27000シリーズ、情報セキュリティや個人情報保護法の世界は素養として必須なものとなる。
- 是非はあるが、自分のサイト、SNSアカウントをもって情報発信をやるのは今は普通のたしなみ。但し、企業の情報が洩れ出ては困るので、会社担当は何らかの線引きをする。事前に確認とることだ。
- 当然ながら、情報システム部門等のIT部門/IT推進部門に入社する人は、リテラシーレベルの認識では不足。相当入れ込んで認識を深めておくのが賢明。入社して実際の業務はワーカーレベルであっても、他部門に対するサポートを請け負うため理解度はワーカーレベルでは困ることになる。
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自責と他責
自責/他責は、何か問題が生じて、その解決を考える時に、原因とか責任の所在を自分に求めるか、他人に求めるか、と言う発想のことです。この発想って変ですよね。客観的に、分析すれば自ずと明確になる筈です。何故、自責と他責なんでしょうか?
- 自責
- 問題が起きて解決しなければいけない時に、
他の誰かに責任があると考えると、自分は何もしないで、 その人が問題を解決するまで問題は残ったままになる。 自分に問題があると発想して、自分で動けば、 問題解決をコントロールできる。 - 世間には批判もある。何でも自責で考えるのは色んな意味で無理があるから。何よりも必要以上に自分を追い込んで自分のメンタルを損なう致命的なリスクがある。行き過ぎた事態では自死のケースもある。それほど極端でないとしても自責発想が出過ぎると不健全と考える人はは少なくない。
- 父性原理が強いと自責志向になりやすい。
- 他責
- 会社のルールに問題があれば、
馬鹿なルールを作った奴を批判して留飲を下げる。生じた問題を自分の問題として捉え直すことはしない。ルール改定提案もしない。 - 悪くすれば、自分の不注意であっても、注意を促すことをしなかった誰かの責任に転嫁させる。
- 他責志向の人は不平不満が多くなり、所謂クレーマーと見られることも。悪い表現で不適切だけど、他責は負け犬の特徴。
- 母性原理が強いと他責志向になりやすい。
逃げない
- 「逃げる」「逃げない」の判断は人にとって最も重要で難しいものの一つだ。逃げないことが本当に正しい判断か、その瞬間においてはまさに神のみぞ知る世界かも知れない。後で振り返れば、いろいろ意見を出せても、その場で必要な判断誰にとっても簡単でないことがある。
- だから「心得」は「逃げない」または「逃げる」と締まりがないことになる。
- 世間の言い方は、もちろん、簡単に逃げない。安易に投げ出さない。などと気持ちの部分を入れてくるが、本質は何も変わらない。
- 何をやっても長続きしない
- こういういい方ならピンと来る人がいるだろう。
- プライベートでも勉学でも趣味的なものでも。大した努力もしないで限界だと始める輩。こういう人は多い。始めた時から辞める理由を探す輩。言い訳しながら生きている輩。
- ループ
- 何か問題が生じてもそれを乗り越えて継続する。能力が低いと問題の克服が出来ない。止む無く転進する(逃げる)。出来ないのに継続しようとするとストレスで自滅する。だから逃げる選択は正しい。
- 転進して次のチャレンジに向かい合うと同じことを繰り返す。ループから抜け出せない。
- チャレンジする対象をレベルダウンさせるとチャレンジ(仕事)を継続できるか。答えはイエス。マニュアル通りのワーカーの仕事を続ける。の筈だが、待遇もワーカーのまま。もっと給料の良いところへ行こうとする。
- 結局、簡単な仕事でお給料が良い仕事。という矛盾を抱え込む。何処へ逃げても矛盾と言うかジレンマが付いて回る。
- ループからの脱出
- ストレスの少ない低収入仕事を選ぶか、ストレスの多い高収入仕事を選ぶか。何を我慢するか。どのレベルで妥協的になるか。許容できるバランスの簡単な選択だね。
- 実際は、会社の事業環境・業務環境は常に変化しているから、自分の期待役割も変わる。折角選んだバランスも簡単に壊れる。またループに放り出される。次の妥協点を探す旅に出るようなもの。一時的にループから脱出できても安住は出来ない。
- 自責他責ではないが、自分の限界能力を上げる。変化対応力を上げる。どの方向に向かっても構わないが、自分を変えないと定住・安住はできないことは分かる。自分の能力を高める不断の努力(自己研鑽・自己啓発)は欠かせない。追い込まれる前に準備する気概が必要。メンタルヘルスの観点でも好ましい。
転職リスク
正しく言うとリスクは期待値からのブレで悪くなる意味と限ったものではないが、日常用語ではネガティブに使うことが多い。そういう時はリスク&オポとして最初に仕切っておいても良い。
転職によって得るものと失うものがある。加えて先のことは分からない。タラレバ・結果オーライの世界。
分かるのは自分のキャリアプランに対する達成度。
目の前の問題を回避するために転職してもそれは解決策でないことは前述のとおり。逃げ出すタイプの人には転職は時として最悪の選択になる。配転・出向・転勤等で息を繋ぐのがベターな選択だろう。ブラック企業はこの限りでないが。
転職は、新しいチャンスへの期待はあるがそれが不確実なものであるのは当然。一方これまで蓄積したものの一部(多く?)を失うは確実だ。何よりも時間がリセットされるデメリットは取り返せない。
デメリットのない転職:
- キャリアプランに基づく転職。
- メンタルヘルス喪失からの緊急避難。
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https://kotobanokokoro.blogspot.com/2022/03/blog-post_31.html
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心構え
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心構えとは、辞書的には、何らかの目的・意図に対する時の心の準備。覚悟。等とある。気構えなど類似語の説明もある。
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でも、大事なことはその中身。本当らしさ・本質・言葉で済まされない部分だろう。
心の準備とは心の入れ換えとか新たな心の収め方のこと。心理状態・精神状態を新たなステージに合わせて、整える事。若しくは再確認すること。
例えば、
誰かと会う、どこかへ出かける。何かを始める。環境を変わる。グループに入る。・・・
新たな環境に移る時、新たな活動を始める時に、それに相応しい精神状態を準備する必要がある。今までとは違う何かに対する心の備え。
「男子三日あわざれば刮目して待つべし」の心境。
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変化に備えるのは当然だが、特段の変化が無い時もまた、平常心としての心構えが求められる。今風で似た感覚のものは危険予知トレーニングの心境が近いかな。
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さて。改めて問い掛ける。「心構え」とは?
果たしてメンタルなものだろうか。
心の準備の前には肉体的な準備、必要な行いがあるに違いない。限りを尽くした準備も無いのに、心構えが出来ている訳が無い。
心構えをしっかりさせるためには、それまでに、最善の行い、準備が尽くされていなければいけない。そう思うのが普通。準備を何もしていない奴が、心構えが出来ていると言っても、鵜呑みには出来ない。準備も無く、心構えが出来ていると口にする奴は、変化球が飛んできて対処できない。見送るか出鱈目に振り回すかだろう。
それは、心構えと言うよりは、開き直り。ギブアップ宣言みたいなものだ。最善を尽くす気合もなければ、恐らくさ以前とは何かさえも分かっていないに違いない。
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試合に臨む時の心構えが、練習の積み重ねの果てに漸く淘汰っつできる精神状態と知るべきだ。
準備もしないで試合に臨むものは、無責任な無手勝流。当たって砕けろ。開き直り。あるいは敵前逃亡。自分を大切にさえしていない。
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時間を掛けて思いを尽くして準備万端を経て漸く心構えが出来ると心得よ。
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Attitude
英吾の「Attitude」が心構えの訳語に充てられることが多いが、ニュアンスは表面的な形容に見える。日本語でもピタッと来るものでないから、ストレートに当てはまる英語などは期待する方が無理がある。
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覚悟
この言葉も同様のニュアンスを持っていて、境地に至るのは容易ではない。不退転の決意と言う言葉にも、同様のことが言える。
多くの人が使うのは、やはり、開き直りに近い。
十分な準備の上で、当たって砕けろなら、覚悟を示すものだろうが、練習そこそこで試合に臨む奴には、GoForBreakなんて使って欲しくない。
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<新入社員の心構え>
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信頼関係
どんな仕事も1人では何もできない。チームワーク、パートナーシップに支えられてようやく仕事が出来る。その前提が信頼関係。誠実。真面目。約束を守る。時間を守る。自分を知ってもらう(ポジティブストローク)。よく話を聞く(#アクティブヒアリング)。しっかり準備をする。スルーしない。適度なアイコンタクト。
「共感」は信頼関係の基礎をなす。自分の立ち位置を間違えないこと。 理念、ビジョン、価値観などの、ある意味ではお仕着せに見えるものに対する共感も建前として大事だが、最大のものは、達成感の共有になる。同じ釜の飯の仲間になると言うこと。
信頼関係を維持する別の 側面はリスクとセキュリティの適切な管理。公私オン・オフの管理。此処をしっかりしないと築いてきた信頼関係も一気に失う。
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健康
一番の最上位の準備事項。意識がしっかりしている。睡眠がとれている。食事がとれている。過剰なBMI(痩せすぎ・太りすぎ)。過剰な飲酒・食事。喫煙・口臭。
ストレスコントロール。現代社会の闇とも言えるストレス問題。会社員に限らない。学生でもリタイア組でも、人としての尊厳を維持するには欠かせない基本事項。
身なり/身だしなみ/身構え
今風に言えばドレスコード。初めてその場へ行く時はどういう格好で行くか、結構悩むものだ。電話等で問い合わせをすると、今どきの答えは必ず、普段着でいいとか、カジュアルでとか、。何処で聞いても、フォーマルで来てくださいと言われることはない。
就職して、転職のケースもあるだろうが、初めての出社に及んで本当にカジュアルで出かける人はいない。スーツ・ネクタイは必須。本当にカジュアルな雰囲気の職場なら、ネクタイを外したり、ボタンを緩めたりして、雰囲気に合わせることで十分。カジュアルな服装で初出社する人への視線は厳しい。侮辱された気持ちになる人もいる。
新参であることを皆に示し、一歩引いたスタンスを取ろうとする心構えが必要になる。
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会社の中で率先してドレスダウン(?)できるのは、その場のトップやベテラン。最初にネクタイを外せるのは、当然だけど上司。部下は、上司がっボタンを外すのを確認してから外す。分かっていてもその手順を踏む。それが”へりくだり”と言うものだ。
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目標管理
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自己紹介
ステージが変わると言うことは新しい付き合いが始まると言うこと。自分を知ってもらう覚えてもらうことはスムーズなコミュニケーションを確立するために重要。特段、ステージが変わらなくても、日常的に、ポケットに入れておくことは、自分を見つめ直す意味も含めて有用。
・1分以内の自己紹介。いくつかパターンあるだろう。その場が何かによって変わる。
・夢を語る。なかなかできない。無理は無用。でも、
・最も大事なことは研鑽していること。人に言いたくないものもあるから無理やりいう必要はないが、空っぽと言うのが最もいけないことだ。
・英語版も用意する。時々訓練する。
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お酒と歌と余興
こうなると心構えにウンザリだろう。それでもアフター5はサラリーマンの現実。人事は其処で決まるという冗談?都市伝説?もある。
若い人の中にはあまりお酒と縁の無かった人もいる。それがいきなりお酒の場に付き合わされる人が来る。コロナ禍でなければ、歓迎会でいきなり設定されるもの。全く飲まないのは座が白ける。度を過ぎたら自分が辛い以上に周りの目が変わる。自分の適量を知る必要がある。悪酔いを警戒する人はその手のドリンクを用意する。
アフタ5がいきなりカラオケ大会になることもある。持ち歌が全くないのも変な話だ。
手品とかクイズとかゲームとか体験記とか。
今どきの学生も終業後の付き合いは時として重要。まあ、純粋に楽しむ方向で十分と思う。
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アドバイスの受け入れ
サラリーマンに限らないが、直属の上司とか仕事上のパートナーとかの枠を超えて、色々な声が直接間接に届く。
岡目八目、余計なお世話、年寄りの冷や水、など。仕事で手一杯の時に、予想外のあらぬ方向からの飛込アドバイス。注意事項、クレーム、提案など色々な側面を持つが、指揮下に無ければひっくるめてアドバイスで済ましてしまうことが多い。余裕が無いから、心の準備が無いから。時として失礼な対応になることがある。
アドバイスをネガティブに捉えたら敵を1人作ることになり、ポジティブに捉えたら見方を1人作ることになる。
いつでも自分を客観視できることが大事。そうしないとアドバイスの理解も出来ないことになる。
聞き流さずに本意をしっかり聞き取るコミュニケーション力が必要。彼彼女を動かした本当の要因はないか見極める力が必要。問題の本質を探る姿勢が必要。
業務ラインを超えて声を掛けてくるのは、余程の事態と捉えた方が間違いは少ない。
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逆に、他所の部門、上司を飛び越えた上司などと、普通に話が出来て、アドバイスを貰いに行けるようになれば、既に一人前と言えそうだ。
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自分を知ること
自己紹介の準備と重なる部分もあるが、もっと内面的な深層的な部分で自分を理解する。
例えば、幼少期~成長期に形成された資質は「父性原理」/「母性原理」の影響を強く受けるが、その後の気づきや環境の変化への対応の中で修正され成人する頃には歪さは緩和されているものだ。
母性原理は母親との接触時間が長いため、誰でも程々備わっているが、虐待などがあれば、母親との健全な接触が損なわれて母性原理も欠落している恐れがある。また母性原理に過剰に強く影響されると、所謂マザコンの症状になる。大人になっても歪んだ依存症が残ることは何かの拍子で露呈するのは多くが知るところだ。適度であれば、チームワーク、思いやり、協調性など集団の中で欠かせないオアシス的存在となる。
父性原理は父親がサラリーマンとかで在宅時間が限られている場合や、単身赴任などの場合は、接触時間が短くなり、 父性原理を獲得できない。父性原理は外(そと)社会との適合性とも言える資質を育てるが、これが欠落すると、大人の男性とのコミュニケーションを苦手とする。社会規範による規律を負担に感じる。自立心・向上心も希薄なため、やがてお荷物になりやすい。
父性も母性も意識して自らを矯正すれば自分の資質とすることが出来る(筈)。
大事なことは自分の父性原理と母性原理がバランスしているかどうかの気付き。
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♡セルフチェック:
(1)長続きしない
勉学・趣味・部活・サークル・仕事。なんでもロングレンジのテーマに対しては継続して自分を律していく必要があるが、それを苦痛に感じてしまう。
重症の場合は、サークルを転々とするレベルで収まらず、不登校、中途退学、出社拒否(休職)、中途退職などキャリアに響く事態に繋がる場合もある。
(2)易きに流れる
チャレンジ精神・向上心が希薄なため、経験のあるエリア、簡単に出来そうな目標に向かいがち。新しいことは嫌がる。リスク回避型行動が顕著。
(3)責任感が希薄
全ての問題を受け入れた母親の存在が発想の根底に残っているため、問題は誰か他人の責任と考える。自分自身は「被害者意識」を持つ傾向が強い。
日常的に、組織(グループ・学校・会社・その他)の問題点を探したり、組織に対する不平不問が多い。 非は組織に有り自分にはないを積み重ねて安心を得る。
問題解決への意識が希薄で改善提案なども表層的なものに留まる。
総じて自己管理能力が低くなりがち。健康管理、マネー管理・資産管理、ライフイベント管理。
>
いやはや
此処r構えが出来ているなんて迂闊に言えそうも無いね。じゅびが終わっていなくても、しっかり意識していることこそが大事なんだろう。正に、自覚と言う奴だ。
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附録:
#アクティブヒアリング:
積極的傾聴。 よく話を聞く。相手の立場に立って考えながら話を聞く。職場には、年齢が上の人もいれば下の人もいる。思い込みの価値観を前提に向かい合えば、ギャップができて衝突の原因になる。これは実際は簡単でない。自分が真剣であることが伝わらなければ、口を開く人はいない。
自分の理解が正しいか、確認の質問を入れる。 これは難しい。相手の性格も踏まえて質問しないと台無しになる。
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